自然豊かな地で風情を育み
村の茶業を守る
清川村煤ヶ谷 山口 進さん
清川村煤ヶ谷で盆栽と茶を栽培。茶葉の加工作業や茶園の作業受託にも力を注いでいます。
清川茶生産の第一人者
高校卒業後、JAあつぎに就職した山口さん。茶農家に生まれ、作業の経験があったことから、茶園の営農指導や荒茶工場「チャピュア清川」の管理業務を任されてきました。JAを退職した今でも、「チャピュア清川」や茶園の作業を受託する「チャピュア清川支援部」の一員として活躍しています。
「チャピュア清川」では、生産者の収穫した茶を、蒸し機や荒揉み機などの工程を経て、最終的な加工を行う前の「荒茶」まで仕上げています。品質への影響が大きい蒸し作業は山口さんが担当。長年の経験を生かし、茶の色や香りから蒸気圧と蒸し時間を調整しながら、良質な茶に加工します。
加工した「荒茶」は、県農協茶業センターに出荷し「足柄茶」として流通するほか、一部は「チャピュア清川」で火入れや選別まで行い、「清川茶」として、道の駅「清川」などで販売しています。
盆栽の管理にも精力を注ぐ
山口さんがライフワークとして長年力を注いでいるのが盆栽作りです。特に気を使っている作業は水やりで、毎日樹勢や葉の様子を見ながら、木の種類に合った量のかん水を行っています。現在、松やサツキ、モミジなど、約350鉢を管理し、自宅で販売しています。
山口さんは、「茶と盆栽は後継者不足などから担い手が減少している。地域の景観や根付いた文化を次世代に継承するため、技術や知識を伝える活動に力を入れていきたい」と話しました。