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土の再利用

明治大学特任教授 佐倉朗夫
有機栽培

 夏作や秋作が終了してそのままになっているコンテナはありませんか。今回は土の再利用について取り上げます。有機栽培では前作の野菜の残渣(ざんさ)も土の改良に役立つ貴重な有機物として利用します。

 まず、コンテナに残る前作の残渣を、根を付けたまま取り出し土を払います。(1)葉、茎、根は1~2cmの長さに細かく刻み乾かします。このとき、残渣1L当たりぼかし肥料2gを混ぜます。青みが残るものは必ず土から取り出しますが、枯れている小さな葉や細かなひげ根は土に戻します。(2)コンテナから土を取り出し、水やりや作物の根によって硬くなった土を、手でほぐしながら広げて数日間乾かしてから、目の粗いふるいで鉢底石と土に分けます。(3)今度は土を細かいふるいに掛け、細か過ぎる土を取り除きます。(4)コンテナの底に鉢底石を敷き、その上に刻んだ(1)を1~2cmの厚さに入れますが、このとき入れ過ぎないことが重要です。(5)その上に(3)を詰めていきますが、ある程度入れたら腐葉土を厚さ2cmほど敷き、表面に米ぬかをパラパラと振ります。その上にさらに土を入れ、コンテナの9分目まで入ったら表面を平らにして完成です。

 使用するまでの間は、コンテナを不織布(寒冷しゃ)で覆い、乾燥しないように適宜水やりをして保管します。不織布をトンネル状に設置しておくと、はす口を外したじょうろの先で不織布をこするようにするだけで、そのまま水やりができます。

 古土の再利用のための処理は2作ごとに行うとよいでしょう。ただし、連作を嫌うナス科、マメ科、ウリ科などの野菜は、同じ科の野菜を同じコンテナで連続して栽培しないように注意します。栽培が終わったコンテナの土には必ず虫(幼虫)がいるので、見つけ出して取り除くこと、病気になった株の葉、茎、根はコンテナに戻さないことが重要です。

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