キュウリ
追肥・水やりで長期収穫
品種
「VR 夏すずみ」(タキイ種苗)はうどんこ病やべと病耐病性で、ウイルス病にも強い品種。「よしなり」(サカタのタネ)は、暑さ寒さに強く安定して長期間収穫でき、うどんこ病やべと病に強いです。
苗作り
植え付け時期から逆算しておよそ30日前に、加温された9cmポリポットに3粒ずつ種まきします(図1)。発芽したら30度以上にならないように換気し、本葉1 本の頃に間引いて1本立ちにし、本葉4~5枚まで育苗します。加温育苗しないときは、5月上旬から中旬ごろが種まき時期です。購入苗はつる割れ病に強い接ぎ木苗を選びましょう。
畑の準備
植え付け2 週間前までに1 平方m当たり苦土石灰200gをまき、土と混ぜておきます。次に、1 週間前に化成肥料(NPK 各成分10%)200g、堆肥2~3kgを予定した畝幅に散布し、よく耕しておきます(図2)。土壌水分が適度のときにマルチを張り、地温を上げておきます。
植え付け
中間地では遅霜の心配がない5月上旬から中旬、トンネル栽培の場合は4月中旬から下旬ごろが植え付け時期です。栽植方法は、2 条植えでは畝幅120cm 程度、条間80~90cm、株間60~70cm にします(図3)。
誘引・摘心
植え付け時は仮支柱を立て、ひもで緩く縛ります。次に、つるが伸びだす前に支柱を用意し、合掌式に支柱を組みます。そして、支柱にキュウリネットを張り、つるをネットに誘引します(図4)。親づる(主枝)の下から5~6 葉までの子づると雌花は、全て早めに摘み取ります。その後の子づる、孫づるは2 葉を残して摘心し、親づるは支柱の高さで摘心します(図5)。
摘葉・摘果
黄化した下葉や病気の葉は随時摘葉し、曲がり果などの変形果は小さいうちに摘果して、株の負担を軽くします。
追肥・水やり
肥切れさせないように、収穫終了前まで2週間ごとに追肥を続けます。1回目は果実が取れる頃に株の周りに施し、軽く土と混合します。2回目以降は1平方m当たり化成肥料30g程度を畝の肩に浅く溝を作って施し、薄く土をかけます。キュウリは特に水分が必要で、畑が乾いていたら必ず水やりをします。
病害虫防除
べと病やうどんこ病は、登録農薬で防除します。アブラムシは、粘着くん液剤などを散布します。
収穫
長さ21~22cm、重さ100~120gくらいが収穫適期ですが、小さくてもモロキュウとして楽しめます。最盛期は朝夕2 回の収穫を心掛け、また草勢が弱ったときには若取りして株の負担を減らし回復を早めましょう。
成松次郎(なりまつじろう)
神奈川県農業技術センター等で野菜の研究と技術指導に従事後、(一社)日本施設園芸協会で施設園芸及び加工・業務用野菜の生産・流通振興に携わる。現在、園芸研究家。