ゴマ
暑さと乾燥に強い香味作物
品種
香りが強い黒ゴマ、マイルドな風味の白ゴマ、黄金色した脂質の多い金ゴマがあります。地域に合った在来種もあります。
畑の準備
種まき2週間前に1平方m当たり苦土石灰200gをまいてよく耕します(図1)。1週間前に堆肥2kg、化成肥料(NPK各成分10%)100gを土とよく混合します。幅70~80cmの栽培床(ベッド)を作り、地温の確保と雑草の抑制に有効なので黒マルチを張ります。マルチは株間15cmで条間40cm程度が取れる穴開きマルチを選びます(図2)。
種まき・間引き
1穴に5~6粒まき、発芽後に子葉が重なるところを間引き、その後2回に分けて間引きを行い、最終的に本葉6~7枚で1本立ちにします。
追肥・土寄せ
最後の間引き(株定め)後、マルチをめくって両側に畝の長さ1m当たり化成肥料30g程度を与え、土寄せします(図3)
支柱立て
草丈が高くなると倒れやすいので、支柱を立てます。畝の両側にひもを張り倒伏を防ぎます。
病害虫の防除
さやに実が入る頃、カメムシ類が加害すると未熟な子実が発生します。アディオン乳剤などで防除します。
収穫
花は下から上に向かって開花し成熟しますが、下のさやが黄変し、裂け始めたら株元から切り取って収穫します(図4)。
乾燥・調製
5~6本ずつ束ねて、穂先を上にして、雨に当てないように7~10日間天日で十分に乾燥させます(図5)。シートを広げ、棒でたたいて種を落とし、さらに4~5日間天日乾燥させます。次に、ごみを唐箕(とうみ)などで風選しますが、量が少ないときは紙に広げ息を吹きかけてごみを飛ばします。食べるときは、片手鍋などを使い中火で10分程度手早くいります。
成松次郎(なりまつじろう)
神奈川県農業技術センター等で野菜の研究と技術指導に従事後、(一社)日本施設園芸協会で施設園芸及び加工・業務用野菜の生産・流通振興に携わる。現在、園芸研究家。