カリフラワー
純白な花蕾を適期に収穫
品種
カリフラワーの花蕾(からい)ができるには、茎葉の大きさとある程度の低温が関係し、中生品種は早生品種に比べ、より進んだ生育と、より低い温度が必要です。そのため、長い間の収穫を楽しむには品種の使い分けが必要です。早生品種では「バロック」(サカタのタネ)、「スノークラウン」(タキイ種苗)、「雪まつり」(武蔵野種苗園)など、中生品種では「輝月」(野崎採種場)、「スノードレス」(タキイ種苗)などがあります。茎葉と花蕾がコンパクトな「美星」(サカタのタネ)、スティック状に花茎が伸びる「カリフローレ」(トキタ種苗)など、ユニークな品種もあります。
苗作り
直径7.5~9cmのポリポットを使い1ポットあたり4~5粒をまき、子葉展開時に密生部を間引き、本葉2~3枚で1株に間引き、本葉5~6枚まで育てます。128穴のセルトレイでは1穴あたり2粒をまき、間引いて本葉3~4枚まで育てます(図1)。育苗期間中は、防虫ネットのトンネル被覆で害虫の飛来を防ぎます。
畑の準備
植え付け2週間前に、1平方mあたり苦土石灰100gをまいて、深く土を耕しておきます。1週間前に畝幅70~80cm、深さ15~20cmの溝を掘り、この溝1mあたり化成肥料(NPK各成分10%)100g程度と堆肥2kgを施し、土を戻してよく混ぜて畝を作ります(図2)。
植え付け
本葉5~6枚の頃、株間40~45cm程度に植え付けます(図3)。植え傷みが起こらないように、植え穴には十分水を注いでおきましょう。
追肥
植え付け20日後ごろに畝の片側に化成肥料を畝1mあたり50gくらいまいて、土寄せします。その20日後ごろに畝の反対側に同量を施用します(図4)。
病害虫の防除
ヨトウムシ、コナガなどが多いので「トアロー水和剤CT」などで駆除します。
収穫
花蕾が見えたら、花蕾に日焼けや汚れが付かないように、外葉の1~2枚を内側に折って花蕾に載せます(図5)。花蕾が12cm以上の大きさになり、つぼみの表面が緻密なうちに、外葉を6~7枚付けて切り取ります(図6)。
成松次郎(なりまつじろう)
神奈川県農業技術センター等で野菜の研究と技術指導に従事後、(一社)日本施設園芸協会で施設園芸及び加工・業務用野菜の生産・流通振興に携わる。現在、園芸研究家。