地域や環境と共生し
こだわりの梨を出荷
厚木市愛甲 庄司 隆行さん
愛甲地区にある約2.7ヘクタールの圃場で、梨や水稲、露地野菜など、多品目を栽培しています。
親子二代にわたり梨を生産
1970年代から愛甲地区で梨を生産する「庄司梨園」の長男として生まれ、約35年前に就農した庄司さん。父と働く中で実践的な技術を身に付ける傍ら、産地の土作りや剪定方法を学ぶなど、栽培技術の向上に努めてきました。
栽培では、食味を左右する栄養豊かな土壌作りに力を注いでいます。化成肥料は使わず、堆肥や油かす、魚粉などの有機資材をブレンドした独自の肥料を作製し、2年以上熟成させてから施用しています。この他、機械で行われることが多い受粉も、狙った枝に確実に着果させるため手作業で行うなど、手間と時間をかけてこだわりの梨を育てています。
主に生産している品種は、「豊水」と「幸水」。収穫した梨は、宅配や自宅での直販を中心に販売しています。
環境保全への取り組み
環境保全型農業を推進する「上愛甲梨組合」の一員として、地域との共生にも取り組んでいます。深刻な食害をもたらすシンクイムシの防除に、フェロモンを発して害虫の交尾を妨げる交信かく乱剤を活用することで、農薬の散布を低減しています。数年前からは、目が細かく、防虫効果の高いネットを取り入れるなど、コストをかけてでも、環境の保全と品質の向上を両立させています。
庄司さんは「梨は手をかければかけるほどおいしくなる。消費者のためにも、食味の良い梨を作っていきたい」と話しました。