培った技術で
米生産に注力
厚木市下川入 清水 輝雄さん
睦合地区にある約1.1ヘクタールの圃場で、水稲を栽培。ハクサイやダイコンなどの露地野菜も生産しています。
農業とともに歩んだ日々
代々農業を営む家に生まれ、幼いころから家業を手伝ってきた清水さん。農業高校卒業後、本格的に就農しました。
就農してからの約70年間、養蚕、酪農、水稲・野菜の生産と、さまざまな経験を積んできました。時代とともに変化していった農具は、貴重な資料として大切に保管しており、今でも黒米の脱穀には「千歯扱き」を使用しています。
長年の経験を生かし米作りに注力
畑では、自家消費用に露地野菜と茶葉を生産。主力の水稲は「はるみ」を栽培し、JAへ出荷しています。水稲苗は全て自家製のものを使っており、気温の変動を小まめに確認し、シートをかけて防寒対策を取るなど、丁寧に育苗。播種機を使った種まきや覆土をはじめ、稲刈りなどの大がかりな作業は家族総出で行っているほか、広い農地を守るため、生産コストや作業効率を考慮し、直播栽培も取り入れています。
直播栽培は、東京農業大学の学生が行う農業実習を手伝う際、学生とともに栽培方法を学び、取り入れました。田植え機が不要なほか、将来、農業用ドローンが普及した場合に、さらなる省力化に貢献できる栽培方法として期待しています。
清水さんは「将来の食に対する不安が広がる中、国内で生産・供給ができる米は欠かせない存在。農地や日本ならではの技術を守るためにも、生産のノウハウを次代に繋いでいけたら」と話しました。