代々受け継がれた思いを
次代へつなぐために
厚木市妻田南 藤井 トメ子さん
睦合地区にある20アールの圃場で露地野菜を栽培。約300年続く土地を守り、都市型農業を続けていこうと、市街化がすすむ地域に合わせた農地活用を行いながら農業にいそしんでいます。
先代に託された農業を受け継ぐ
農家に生まれ、幼い頃から農業に携わってきた藤井さん。夫の重巳さんのもとに嫁いでからも、義父の妻次さんから技術やノウハウを教わりながら、経験を重ねてきました。4年前に妻次さん、2年前に重巳さんが他界し、2人に託された農業を守っていこうと心に決めました。
畑では、ネギやハクサイ、キャベツなど、30種類以上の露地野菜を栽培。品種の選定や病害虫の防除など、手間と愛情を掛けて栽培しています。農産物は、浅漬けや梅干しなど、加工品としても活用し、家族や親戚からも好評です。
子どもたちに農家として思いを伝える
2019年から、厚木市立妻田小学校3年生の校外学習を受け入れている藤井さん。スーパーに並ぶ野菜がどのように作られているのかを知ってもらおうと、生徒たちに畑を案内し、収穫した野菜を紹介するなど、食と農のつながりを伝えています。「コンニャクがお芋からできるのを初めて知った」「農家さんの頑張りを知って苦手な野菜も食べるようになった」など、うれしい声が詰まった生徒たちからの感謝状は、藤井さんの宝物です。
藤井さんは「これまで農業を通じてたくさんのつながりができた。健康に気を付けながら、自分が受け継いだものを次世代へ伝えていきたい」と笑顔で話します。