地域農業の担い手として
家族で活躍
厚木市上依知 井上 正義さん
依知地区にある約12ヘクタールの圃場で水稲を栽培するほか、根菜類を中心に露地野菜を生産しています。
家族で水田の保全に尽力
地域の水田を積極的に借り受け、水稲を栽培している「ライスケア イノウエ」を家族で経営する井上さん。生産者の減少に伴い、増えていく水田の管理に奮闘する両親の助けになろうと、就農を決意しました。就農後は、水稲の栽培方法を継承しながら、「JAあつぎ農業塾」を受講して野菜の知識を学ぶなど、農業の技術を幅広く習得。現在は家族3人で約12ヘクタールの水田を管理しています。
新たな技術で省力化
「ライスケア イノウエ」では、広い面積の水田を管理するため、省力化に向け、大型機械の導入をはじめとしたさまざまな取り組みを行っています。近年は、一枚の苗箱に高い密度でもみを植える「密苗」を導入。老化や欠株が起こりやすく、管理が難しい栽培方法ですが、田植えに使用する苗箱の数を減らすことで、運搬や田植え時間の短縮など、効率化につなげています。
今年からは、農研機構や県農業技術センターと協力し、ICT(情報通信)技術を活用した水管理制御システムを水田の水口へ試験的に設置。センサーで水位を計測し、スマートフォンを介して遠隔で入水量を制御するなど、省力化に向けた新たな技術を積極的に取り入れています。
井上さんは「上依知地区は豊かな水源に恵まれる市内随一の米どころ。両親の技術をしっかりと引き継ぎ、新しい知識も学びながら、地域の農業を守っていきたい」と話しました。