枯れない“オヒシバ”の除草対策について
近年、農業者を悩ます雑草として“オヒシバ”の被害が増加しています。田畑でオヒシバが蔓延すると、農作物に悪影響を及ぼしかねません。例えば、雑草の生育が過剰となり農作物より優勢となると、肥料成分が奪われ、農作物の生育が悪くなります。今回は、オヒシバの特徴と対策についてご紹介します。
オヒシバの生態
オヒシバは、日本在来のイネ科オヒシバ属の一年生植物で、日本国内ではほぼ全国に生育し、8月~10月にかけて開花する夏の雑草です。少ない栄養で成長でき、農地だけでなく道路わきや公園など、いたるところで見られるため、夏の一年生イネ科雑草の代表種に数えられています。草丈が30~80cmと中程度の高さであり、穂の形が特徴的なため草むらで目立ちます。

強い生命力などが特徴
オヒシバの最大の特徴は強い生命力です。太く硬い茎を持つため、踏みつけられても成長に大きな影響が見られません。また、耐暑性のほか、耐湿性や耐乾性、耐寒性も高いのが特徴です。さらに、オヒシバは地中にひげ根を伸ばし成長するため、土壌を強くつかみながら根を張ることから、簡単に抜き取れない点も特徴の一つです。生育すると種子は数千個も作られ飛散します。放置すると、周囲にオヒシバが広く生育していきます。こうした強い生命力を持っているため、早めの除草が必要です。
オヒシバに有効な除草剤

ナブ乳剤
ナブ乳剤の最大の特長は、茎葉処理により高い殺草効果を発揮する点です。特に、オヒシバに代表されるイネ科の雑草に優れた効果が期待できます。有効成分であるセトキシジムが、イネ科雑草に対して除草効果を発揮します。根まで枯らして再生能力も奪うため、何度も除草作業を行う必要がありません。

ザクサ液剤
ザクサの成分グルホシネートは、イネ科雑草に加えて、広葉の一年生雑草、多年生雑草などに有効で、枯らす効果があります。また、吸収移行型ではないため根までは枯死せず、水田の畦けいはん畔やのり面などでも使用ができます。
農薬の使い方は、日々更新されています。使用前にはラベルの確認はもちろん、メーカーのホームページも併せて、最新の情報を確認してください。