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秋ジャガイモの栽培・保存について

 野菜の中でもジャガイモは年間を通して需要の高い野菜の一つです。春に比べ、冬野菜の栽培と重なる秋ジャガイモは、直売所の出荷量が減ります。今回は秋ジャガイモの栽培ついてご紹介しますので、ぜひ作付けの参考にしてください。

秋ジャガイモについて

 夏から秋にかけて栽培する秋ジャガイモは、9月上旬に植え付け、11月から12 月頃に収穫します。
 秋ジャガイモは、春ジャガイモと比べ栽培時の夜温が低いことから、イモへの養分蓄積が効率的で、でんぷん質を多く含み、ホクホク感が強いなどの特徴があります。夏から秋は害虫および台風の被害を受ける可能性は高くなりますが、適期の植え付けや適した品種選択など、秋作ならではの要点を押さえておけば比較的栽培は容易です。
【秋ジャガイモ品種】
・普賢丸 ・デジマ ・ニシユタカ
参照:神奈川県野菜優良種導入指針
   令和6年3月 神奈川県園芸種病対策協議会

栽培のポイント

①秋作向けの品種を選ぶ
 適した品種を植え付けないと出芽が遅れ、さらには霜や寒さで枯れる危険性もあります。植え付けが早いと暑さで種芋が腐敗したり、青枯れ病にかかりやすくなります。反対に遅れると生育期の後半に寒さで大きくならず、収穫量が減ります。

②種芋はなるべく切らずに植え付ける
 植え付けは暑い時期に行うため、種芋を切って植えると腐りやすくなります。ただし、種芋が大きい場合は、一片が50g以上になるよう、頂芽部から基部にかけて縦に切りましょう。風通しの良い場所で切り口を十分に乾燥させてから植え付けを行いますが、「じゃがいもシリカ」をつけて植えると腐敗しにくくなります。
【切り方】

③石灰の量は控えめにしてそうか病に注意
 ジャガイモは連作するとそうか病などの土壌病害が発生しやすくなります。圃場は排水性、保水性の良い場所を選びましょう。そうか病は土壌がアルカリ性になると多発します。発生を抑えるために石灰の施用量は控えめにしましょう。

④土寄せをする
 土寄せをするとジャガイモの育つスペースができるほか、ジャガイモが土から露出して緑化するのを防ぎます。出芽がそろったときに除草も兼ねて土寄せしましょう。

⑤茎葉が枯れるまで十分に生育させる
 収穫は茎葉が全て枯れる12月頃が目安になります。茎葉が枯れ始めてもイモの部分は肥大が進んでいるので早期収穫は控えましょう。

保存について

 秋ジャガイモは、収穫後に寒期に入るため芽が出にくく、春ジャガイモより長期にわたって保存が可能です。収穫したら乾燥させ、表面の土をきれいに落とし、コンテナに入れて倉庫などで貯蔵します。ジャガイモの貯蔵適温は2~15℃が目安で、これより高いと萌芽し、0℃以下では凍結して腐敗の原因となります。また、日光に当たると緑化することから、貯蔵の際は毛布や遮光シートなどを使い、極端な寒さから守るよう保管しましょう。
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