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専門機関による土壌診断

 良質な作物を育てるためには、土壌の状態を把握することが大切です。今回は土壌診断の方法や、確認できるデータをご紹介します。収量の安定や施肥コストの低減にもつながるので、年に1回以上の実施をおすすめします。

土壌診断の方法について

 市販の土壌診断キットを使用して簡易に分析することも可能ですが、正確な数値が出ない可能性もあるため、専門機関による診断をおすすめします。専用の封筒に圃場の土を入れて、各地区の営農指導員まで提出することで、JA全農による土壌診断を受けることができます。


【採土の方法】
① 中央と対角線上の5カ所から採取します。地表2cmの土を取り除いてから、深さ15cmまで採土してください。
② 新聞紙などの上で5カ所の土をよく混ぜてから薄く広げ、風通しの良い日陰で約1週間乾燥させます。目合い1~2mmのふるいにかけて石などを取り除き、専用の封筒に入れます。

土壌診断で確認できるデータ

 土壌診断では代表的な肥料成分のほか、pHやECも確認することができます。今回は、実際の診断結果の中から抜粋してご紹介します。

【分析データの例】
(トマト半促成栽培・腐植質黒ボク土)
項目結果適正範囲
pH5.36.0〜6.5
EC0.62上限値0.35mS/cm
石灰 CaO248280〜336mg/土100g
苦土 MgO1360〜81mg/土100g
カリウム K2O9828〜57mg/土100g
リン酸 P2O55940〜80mg/土100g
硝酸態窒素 NO3-N1.0上限値6.0mg/土100g
・pH
酸性・中性・アルカリ性のどこに分類されるかを測る指標です。多くの作物はpH6.0~6.5の弱酸性土壌でよく育ちます。
・EC
値が高ければ、土壌中に肥料分が多く入っていることを示します。値が0.4~0.7の場合は2/3、0.8~1.2の場合は1/2とするなど、数値を確認して肥料の施用量を調節しましょう。
・肥料成分(窒素・リン酸・カリウムなど)
栽培する作物に合った適正範囲を確認できます。
【チャートグラフ】
pHが酸性に傾いており、苦土が欠乏、カリウムが過剰であることが分かります。実際の診断結果では、土壌改良資材の使用例なども見ることができます。
土壌診断には1カ月ほど期間を要しますので、ご希望の際は早めにご相談ください。
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