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冬野菜の大敵 ハクサイダニの防除について

 近年、冬野菜の栽培で「ハクサイダニ」の被害が拡大しています。ホウレンソウ・シュンギク・小松菜などの葉菜類を吸汁し、株全体を枯死させてしまいます。今回は、冬に葉菜類を栽培する上で対策が欠かせない、ハクサイダニについてご紹介します。

ハクサイダニとは

 成虫は黒い胴体に赤紫色の足が8本ある独特の姿をしており、ムギダニに酷似していますが、ハクサイダニの方が体長0.7~1mmと一回り大きく、肉眼でも確認できます。生態の特徴として、昼間は葉の陰や地表に生息し、夕方や曇天時に葉の上に移動して活動します。

 主な活動期間は11月~5月上旬で、10月ごろから、土壌中で夏を越した休眠卵がふ化して活動を始め、活動期間後期に産まれた卵がまた休眠卵となるサイクルを繰り返します。

ハクサイダニの被害について

 ハクサイダニは作物の葉の汁を吸うので、被害部分は灰色から白銀色になり、しおれてカールするように枯れていきます。特に芯葉付近に被害が出ることが多く、被害が進むと株全体が委縮して最終的には枯死します。ハクサイなどの結球する野菜では、内部にも侵入します。

写真提供:県農業技術センター

ハクサイダニの防除について

 防除については以下のような対策が考えられます。

  • 被害が確認されたら株ごと抜き取り、焼却処分をする。
  • 周辺の雑草にも生息している可能性があるので、除草を徹底する。
  • 収穫残さは卵が付着している可能性が高いので、圃場に混ぜ込まないよう処分する。
  • 被害が多発した圃場では、翌冬の発生を防ぐため、連作を避ける。
  • 夏季に休眠卵を死滅させるため太陽熱で土壌消毒を行う。
農薬名作物名希釈倍数使用時期使用回数
ディアナSCホウレンソウ・
シュンギク・
ナバナ類
2,500~5,000倍収穫前日まで2回以内
コテツフロアブル小松菜2,000倍収穫3日前まで1回
アディオン乳剤ハクサイ2,000倍収穫7日前まで5回以内
小松菜2,000倍収穫前日まで3回以内
ホウレンソウ3,000倍収穫14日前まで2回以内
シュンギク4,000倍収穫21日前まで2回以内
農薬名:ディアナSC
作物名:ホウレンソウ・シュンギク・ナバナ類
希釈倍数使用時期使用回数
2,500~5,000倍収穫前日まで2回以内
農薬名:コテツフロアブル
作物名:小松菜
希釈倍数使用時期使用回数
2,000倍収穫3日前まで1回
農薬名:アディオン乳剤
作物名:ハクサイ
希釈倍数使用時期使用回数
2,000倍収穫7日前まで5回以内
農薬名:アディオン乳剤
作物名:小松菜
希釈倍数使用時期使用回数
2,000倍収穫前日まで3回以内
農薬名:アディオン乳剤
作物名:ホウレンソウ
希釈倍数使用時期使用回数
3,000倍収穫14日前まで2回以内
農薬名:アディオン乳剤
作物名:シュンギク
希釈倍数使用時期使用回数
4,000倍収穫21日前まで2回以内
※使用の際は、必ず使用方法をご確認ください
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