ナガエツルノゲイトウに警戒を
近年、JAあつぎ管内で特定外来生物「ナガエツルノゲイトウ」の発生が確認され、水稲栽培や畑作、生態系への影響が懸念されています。生殖力の強い雑草で、わずか数センチの切断茎からでも再生し、あっという間に繁殖します。ナガエツルノゲイトウの特徴や防除方法を把握し、被害の深刻化を防ぎましょう。
ナガエツルノゲイトウとは
「世界最悪の侵略的植物」ともいわれる、南米原産の多年生雑草で、観賞用に導入後、野外逸出したと考えられています。水路、河川、ため池、水田、畦畔、畑などで繁殖し、特に日当たりの良い水辺では群生します。厚木市以外でも、伊勢原市、海老名市など県内各地で発生が確認されています。
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(種子は作らない)
農業への影響
水田では、水稲と競合し生育を阻害するほか、成長した稲を倒すなど、大きな影響が懸念されます。また、収穫時にコンバインの胴内に詰まり作業性の低下や故障の原因となる恐れがあります。繁茂して水路を塞ぐ事例も多く確認されており、水系全域に影響を及ぼしてしまう可能性があります。
防除方法
多年草で、乾燥への耐性・生殖力が強く、放置していると群生するだけでなく、水系の下流に流出し繁殖範囲を広げます。そのため、ナガエツルノゲイトウの発生が確認された場合は、水系の上流・下流に、未発見の繁殖地が存在する可能性があります。
再生力も強く、茎・根の破片から再生してしまうため、草刈りや耕運を行ってしまうと拡散を助長してしまいます。疑わしい雑草はそのまま動かさずに、JAまたは県農業技術センターにご連絡ください。
有効な農薬としては、ロイヤント乳剤、ウィードコア(草丈15cmまで)、アッパレZ400FG、バッチリLX1キロ粒剤(発生初期まで)などが挙げられます。繁殖が確認されている地域では使用をご検討ください。
※使用の際は、必ず使用方法をご確認ください
行政と連携し発生状況調査を実施
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昨年8月、県農業技術センター・市役所・JAの3者で約120ヘクタールの水田地帯を対象に、ナガエツルノゲイトウの生育の有無を調査しました。取得したデータは、マップ化され、地域での広がりの把握や防除方法の検討材料として活用されています。
JAは調査結果を踏まえ、栽培講習会などで、防除への呼びかけを強化しており、生産者と一体となった対策に取り組んでいます。
JAは調査結果を踏まえ、栽培講習会などで、防除への呼びかけを強化しており、生産者と一体となった対策に取り組んでいます。