サツマイモ基腐病について
近年、サツマイモの「基腐病(もとぐされびょう)」が、産地に大きな打撃を与えています。カビの一種の病原菌が、茎葉を枯らして塊根を腐敗させる伝染病で、神奈川県内でも発生が確認されています。今回は、サツマイモ基腐病の症状や予防対策などについてご紹介します。
基腐病とは?
1 発生の原因
糸状菌(カビ)の一種が感染した種芋・苗が圃場に植えられることで発病します。また、発病した株で作られた菌の胞子が、雨水等により移動することで周辺の株に伝染します。
2 症状
苗床では、巻葉、葉の赤変や黄変、株元の茎の黒変、株の萎縮および種芋の腐敗などが見られます。サツマイモが基腐病にかかると、地面に近い部位の茎が黒変し、葉が黄化します。病状が進行すると、茎葉が枯死し、サツマイモは主に、なり首側(茎のつけ根側)から腐敗します。
3 感染経路
病原菌に感染した種芋・苗による「苗伝染」や、圃場での発病残渣による「土壌伝染」、発病茎葉の接触による「接触伝染」、雨水等の停滞による「胞子伝染」があります。
生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事業(01020C)
令和3年度版マニュアル「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」より
令和3年度版マニュアル「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」より
サツマイモ基腐病の予防対策
1 基腐病菌を持ちこまない
種イモや苗は傷や腐敗が無いかよく確認し、健全なものを使いましょう。また、植え付け前は同病に登録のある薬剤(下表)で種苗消毒を行いましょう。
2 病原菌を増やさない
早期発見が大切です。症状が出ていないか畑をよく観察しましょう。また、発病が疑われる株を発見したら直ちに圃場から除去し、処分することが大切です。
3 圃場に残さない
収穫後の残渣は可能な限り圃場から持ち出し、処分しましょう。また、他作物との輪作や、被覆して土壌消毒を行うことで発生を予防することができます。
【サツマイモ基腐病の薬剤】 (2022年2月1日現在)
薬剤名 | ガスタード微粒剤 バスアミド微粒剤 |
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使用時期 | 植付21日前まで |
使用回数 | 1回 |
希釈倍率(散布量) | 30kg/10a |
使用方法 | 本剤の所定量を均ーに散布して土壌と混和する。 |
薬剤名 | ベンレート水和剤 |
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使用時期 | 植付前 |
使用回数 | 1回 |
希釈倍率(散布量) | 500~1000倍 |
使用方法 | 30分間苗基部浸漬 |
薬剤名 | ベンレートT水和剤20 |
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使用時期 | 植付前 |
使用回数 | 1回 |
希釈倍率(散布量) | 200倍 |
使用方法 | 30分間さし苗基部浸漬 |
薬剤名 | Zボルドー |
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使用時期 | ー |
使用回数 | ー |
希釈倍率(散布量) | 500倍(100~300ℓ /10a) |
使用方法 | 散布 |
薬剤名 | ジーファイン水和剤 |
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使用時期 | 収穫前日まで |
使用回数 | ー |
希釈倍率(散布量) | 1000倍(200~300ℓ /10a) |
使用方法 | 散布 |
薬剤名 | アミスター20フロアブル |
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使用時期 | 収穫14日前まで |
使用回数 | 3回以内 |
希釈倍率(散布量) | 2000倍(100~300ℓ /10a) |
使用方法 | 散布 |