土を元気にする耕うん作業について
作物を栽培するにあたり、圃場の耕うん作業をしていると思いますが、やり方によっては土が持っている本来の力を損ねてしまっている可能性があります。作物に最適な土壌環境を作るための耕うん方法と土壌の変化、耕うんにおけるトラクターの適正車速についてご紹介します。
なぜ耕うん作業をするのか
収穫後の切り株や根が残ったままの圃場は、トラクターの踏圧などで土が硬く締まっています。この状態では土の中の空気(酸素)が不足しているため、作物がうまく育ちません。作物がよく育つ圃場に戻すには、硬く締まった土を砕き、混ぜ合わせながら土の中に酸素を送り込むことで、根の呼吸を高め、地上部の生育を良くする必要があります。
耕うん後の土壌の変化
微生物が有機物を分解
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分解による腐食が土の粒子を接着し団粒化
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団粒構造で元気な土づくり
トラクターの適切な車速とPTO回転速度
トラクターで耕うんするときに、車速とPTO回転速度が仕上がりに大きく関係してきます。車速が速すぎると表面を転がっていくだけになり、遅いと効率が悪くなってしまいます。PTO回転速度が遅いと細かくならない、速すぎると細かくなりすぎてしまうなどの問題があります。そんな時に自分の耕うん時のクセのひとつの目安になるのが「爪の摩耗の状態を確かめること」です。
※PTO…トラクターのエンジンからの回転力を取り出すところ
■車速が速くPTO回転が遅い場合に爪の根本側が摩耗します。
■車速が遅くPTO回転が速い場合に爪の先端側が摩耗します。
■車速とPTO回転が適切の場合は爪が均一に摩耗する理想的な形です。