手軽にできる土壌消毒のやり方
土壌消毒には、土壌病害虫防除のために土壌くん蒸剤を使用する方法のほか、簡易な太陽熱消毒などがあります。最近では「ダゾメット(成分名)剤(商品名:バスアミド、ガスタード微粒剤)」が普及していますが昨年の春、ヤマトイモの圃場に導入した「キルパー液剤」も、良い成績を得ましたので紹介します。
1.ダゾメット(バスアミド、ガスタード微粒剤)による土壌消毒の紹介
【特徴】
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刺激臭が少なく、手軽で使いやすい。
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紋羽病・白絹病等広範囲の土壌病害、センチュウのほか、一年生雑草の種子にも効果が高い。
【使用方法・使用上の注意】
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地温が10℃以下の時は効果が劣るので、使用しない。
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土壌水分量は、土を軽く握って、手を開くと割れ目ができる程度。
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作物に本剤が直接かかったり、温室内ではガス化した成分によりガス抜きが不十分だと薬害がでることなどが挙げられる。
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処理後にビニールなどを被覆した方が効果が高まります。薬量は登録に従う。
2.キルパー液剤による土壌消毒
【特徴】
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カーバムナトリウム塩は消防法の危険物や毒物・劇物ではなく、刺激臭が少ない。
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土壌混和、土壌注入、土壌散布などが選択できる。
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土壌と接触すると速やかにガス化し、土壌水分に溶け込み効果を発揮します。
【使用方法・使用上の注意】
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所定の薬量を水で30 〜100倍に希釈後、灌注、被覆すれば良いが、おすすめは、耕耘した畑に約15㎝の深さに注入し、直ちに覆土、鎮圧、被覆し、注入間隔を20㎝程度にすることが望ましい。
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専用機械を使用するか、管理機にアタッチメントを付けることで、作業が楽にできる。
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クロルピクリンやD-Dと混用しない。
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土壌水分量は、土を握って割れ目ができる程度。
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処理後から定植までは被覆資材等で7 〜21日間被覆した後、さらに3 〜20日間ガス抜きして播種、定植する。
管理機にアタッチメントをつけた図解
キルパーの有効成分
キルパーは土壌と接触すると酸化分解され、速やかにメチルイソチオシアネート(MITC)となります。土壌中の水分による分解はありません。MITCはガスとして、また、土壌水分に溶け水溶液として効果を発揮します。(なお、MITCはクレオメ[花]、ケール等[青汁]の辛味成分として広く自然界に存在します)