ブロッコリーのホウ素欠乏症について
収穫しているブロッコリーやカリフラワーに写真のような症状が出ていませんか。
もしこのような症状がみられる場合、微量要素の1つであるホウ素が欠乏しているかもしれません。今回は、ホウ素欠乏症の発生時期や症状、対策方法についてご紹介します。
ホウ素欠乏症の発生時期および症状
ブロッコリーやカリフラワーのような花蕾(からい)部を収穫する作物はホウ素が欠乏していると、定植30日頃から株全体の生育が悪くなり、葉縁(ようえん)部が黄化し始め、生育が進むにつれ葉全体が縮れた状態になります。また、葉が黄化し始めると同時に葉柄(ようへい)部や茎部の表皮にかさぶた状の症状が発現し、茎部全体に広がり壊死した状態となってしまいます。
このような症状が発現したブロッコリーやカリフラワーは花蕾の肥大が遅れ、黄化したものが多くなり、品質および収量の低下につながります。
対策方法
ホウ素欠乏が発生してからの治療では手遅れとなることが多いので、生育初期からホウ素を充分供給する必要があります。そのため基肥にホウ素入り肥料を利用するか、三要素肥料と共に総合微量要素肥料(FTE)を施用すると効果が期待できます。
FTEにはホウ素の他にマンガン・鉄・亜鉛・モリブデン・銅も含まれていますので、他の欠乏症にも有効です。標準施肥量は10アールあたり4〜6kgです。また、ほぼ1年間で消費されますので毎年施用してください。