野菜の連作障害について
野菜畑では、連作障害がよく問題となります。何年か、同じ場所に同じ野菜を作らなければ良いのですが、畑が狭い場合などの環境下にある畑も多く見られます。しかし、連作障害の原因を知り、その対策を講じることで、同じ野菜を続けて作付けすることができます。今回は、その原因と対策についてご紹介します。
同じ作物を植えるまでに間作(他の科の作物を作付け)が必要な期間
間作が 必要な期間 |
主な作物 |
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1年以上 | カブ、キャベツ、ミズナ(アブラナ科)、ホウレンソウ(アカザ科)、シュンギク(キク科)、ミツバ(セリ科)、インゲン(マメ科) |
2年以上 | キュウリ、ニガウリ(ウリ科)、イチゴ(バラ科)、ジャガイモ(ナス科)、ハクサイ(アブラナ科)、レタス(キク科) |
3年以上 | トマト、ピーマン、トウガラシ(ナス科)、メロン(ウリ科)、ラッカセイ(マメ科)、カリフラワー(アブラナ科) |
4年以上 | スイカ(ウリ科)、エンドウ、ソラマメ(マメ科)、サトイモ(サトイモ科)、ゴボウ(キク科)、ショウガ(ショウガ科) |
連作障害の主な原因
連作障害には、主に2つの原因が考えられています。
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その作物や同じ科の作物に付く、土の中の病原菌や害虫の密度が高まる(アブラナ科野菜の根こぶ病、各種野菜のネコブセンチュウ、根腐れセンチュウなど)。
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その作物や同じ科の作物が特異的に吸収する微量要素等、土の中の成分不足による生育障害。
連作障害対策
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土の中の病害虫防除には、土壌消毒が必要です。
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微量要素の不足には、有機質や家畜ふん堆肥の施用が効果的です。
原因を取り除くには
完熟した牛ふん堆肥を10a(1反)あたり、露地畑で1 トン、施設畑で2 トン程度施用し、バスアミド微粒剤などで土壌消毒するのが、確実な方法です。しかし、住宅に囲まれた畑などで、土壌消毒剤の使用が難しい場合には、牛ふん堆肥と石灰窒素(土壌病害、センチュウに効果大)を使用する方法があります。
〈牛ふん堆肥と石灰窒素を使用する方法のポイント〉
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完熟牛ふん堆肥を作付けの1カ月前までに、畑にむらなく撒き、十分散水し、耕耘します。
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作付けの2週間ほど前に、石灰窒素(10a あたり50 〜 100kg)と水を撒き、耕耘した後にビニール等で被覆し、10日ほどしたらはがします。緩効性窒素分が21%、石灰分は55%含むことを考慮して、基肥を施用し、耕耘後、定植します。高温期に行うと、さらに効果的です。