農業の生産工程管理(GAP)について
農産物づくりは、生産・収穫・荷造り・出荷までさまざまな工程があります。
それぞれの環境をチェックすることにより、より安全な農産物づくりを行うことができます。また、残留農薬・異物混入・労働災害・近隣との問題など、さまざまなリスク回避にもつなげることができます。まず、GAPという手法を知りましょう。
GAP とは何か?
Good(より良い)Agricultural(農業の)Practice(やり方)の頭文字の略です。農水省の日本語訳では、「農業生産工程管理」と表現しています。
従来型の農産物管理手法は、生産履歴提出や出荷物の一部をサンプリングする残留農薬の検査です。これに対しGAP は、工程を管理することで、さまざまなリスクを未然に防ぐ予防型の取り組みとなります。
あつぎせせらぎ米・津久井在来大豆等のように、かながわブランドを取得し販売競争力を上げるものとは違い、信頼される農場として基礎を構築する手法として考えていきましょう。
国や県の推奨するガイドラインに基づく基礎GAP
GAP は数種類に分かれており、すべての農業者に取り組んでいただける基礎的なものと、市場出荷や輸出される農産物に求められつつある第3者認証GAP(JGAP、ASIAGAP など)があります。
ここでは、基礎GAP として設定する質問の一部をご紹介いたします。
- 質問①
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農薬は専用の保管庫に入れ、施錠されていますか?
項目の必要性:管理を厳重にする意識が大切です。
- 質問②
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喫煙・喫食は定められたところで実施していますか?
項目の必要性:作業場と分離し、異物混入を防ぐことにつながります。
上記のように、さまざまな観点で確認し、農産物づくりのリスクを回避します。
農業生産する人だけでなく、消費者にも知っていただきたいGAP
近年、農産物のさまざまな品目で、大きな産地や農業法人で取得が進み、市場流通する農産物で見かけるようになりました。市場流通する中で、仲買人は生産者の信頼としてGAP 認証マークのある農産物を積極的に買い付けるようになってきているようです。
今後、認証制度までは受けなくても、安全を意識した工程管理に目を向けて、信頼ある農産物生産を心掛けていくことが重要です。
まずは、GAP を「やる」ではなくても「知る」ということが第一歩です。