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営農通信Farming communication

緑肥栽培における活用方法と効果について

 緑肥は、畑にすき込んで肥料にすることが主な目的ですが、野菜と緑肥作物を一緒に植えることで、畑の環境改善につながるなど、多くの効果があります。今回は、緑肥の効果や目的に合った作物の種類をご紹介します。効果的に取り入れ、良質な農産物の生産につなげていきましょう。

緑肥の効果

物理性の改善

緑肥をすき込むことで土壌の腐植率が高くなり、団粒構造が発達し、通気性・透水性・保水性が改善され、農産物の根張りが良くなります。

化学性の改善

腐植率が高まることにより保肥力が向上します。また、マメ科緑肥は空気中の窒素固定により、地力窒素が増加します。

作業の省力化

茎葉による被覆効果や他の作物に与える影響により雑草の発生を抑えるので、除草・耕起作業が軽減できます。

環境保全

根張りや被覆効果により、表土の流亡、飛砂を防ぎます。遊休農地の地力維持、景観保全効果があります。

目的に合うおすすめの緑肥作物

これからの時期におすすめ
「リビングマルチ栽培」

 緑肥を活用した栽培方法はさまざまですが、これからの時期におすすめなのは大麦を活用した「リビングマルチ栽培」です。リビングマルチとは、主作物の生育期間中に畝間や通路へ他の作物を同時に栽培する方法。作業の省力化や環境対策としても注目されています。

期待できる効果

雑草抑制・乾燥防止・排水改善・地温抑制・泥はね防止・肥料流出防止・浸食防止 等

おすすめ品種

オオムギ てまいらずE(カネコ種苗)
播種量:3~4kg/10a(間作利用・播種機使用)
生育旺盛で土壌被覆力が強く、キタネグサレセンチュウの密度抑制効果があります。また、黒斑細菌病に耐病性があるので、アブラナ科野菜の輪作・休耕緑肥としても利用できます。

※8月下旬時点で枯れきれずに緑葉が残っている場合は、9月に入って涼しくなるにつれて生育が復活する場合があります。主作物との競合が心配される場合は、刈り払うか、主作物に登録のある茎葉処理除草剤を麦に散布して完全に枯らしてください
キュウリの畝間
乾燥防止・地温抑制・雑草抑制
ナスの畝間
乾燥防止・雑草抑制・土壌天敵温存効果でアブラムシ、アザミウマの被害軽減
サツマイモの畝間
乾燥防止・排水改善・雑草抑制
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