JAあつぎ

営農通信Farming communication

水稲における斑点米カメムシ類の対策と防除

 田植えが終わり、出穂期を迎える頃となりました。昨年多く見られた斑点米カメムシ類による被害については、今年も発生が懸念されています。今回は、良質米生産に向け、斑点米カメムシ類被害の対策と防除についてご紹介します。

斑点米カメムシ類の発生状況について

 斑点米カメムシ類は、稲穂を吸汁して玄米に黒い斑点を作るため、米の品質低下につながります。県内では、クモヘリカメムシ・ホソハリカメムシなどが主に発生しています。
 令和5年産米については、県内の水田で多くの斑点米カメムシ類の発生が確認され、県農業技術センターから病害虫発生情報の号外が出されるほどでした。JAあつぎ管内においても斑点米カメムシ類の発生が確認され、出荷された玄米には症状が見られました。斑点米カメムシ類が大量発生した要因は以下が考えられます。
  1. 春から夏にかけ、猛暑日が例年より長く続いた。
  2. 梅雨時期の雨量が例年に比べ少なかった。
  3. スギやヒノキの実を好み、昨年は花粉が多かったためエサが豊富だった。
 今年も猛暑が予想されます。気候には注意し、適切な防除で発生の抑制に努めましょう。
クモヘリカメムシ
ホソハリカメムシ
斑点米カメムシ類による被害粒

防除について

① 雑草管理での対策
定期的に除草し、畦畔および周辺のイネ科雑草を管理しましょう。
【除草の適期】
出穂10日前まで 定期的に除草を行い、斑点米カメムシ類の増殖を防ぐ。
出穂10日前~
収穫2週間前
水田内への斑点米カメムシ類の移動を促すことになるため、除草を控える。
収穫2週間前以降 定期的に除草を行う。
② 薬剤防除での対策
防除適期は、出穂の10日後頃と24日後頃です。両方の適期に防除を行うとより効果的です。粒剤を使用する場合は出穂の7日後と21日後に使用してください。
【防除薬剤一例】
薬剤名 倍率または
散布量(10a)
使用時期および回数
スミチオン乳剤1000倍収穫21日前まで、2回以内
トレボン乳剤2000倍収穫14日前まで、3回以内
スタークル粒剤3㎏収穫7日前まで、3回以内
スタークル豆つぶ250g収穫7日前まで、3回以内
キラップ粒剤3㎏収穫14日前まで、2回以内
※農薬を使う際は、必ず使用方法や注意事項を確認してください
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