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酸素供給剤の活用について

 植物は全身で呼吸を行っていますが、特に重要なのが根の呼吸です。根の呼吸に必要な酸素が不足すると、肥料を施しても上手く栄養を吸収することができず、地上部の生育にも悪影響を及ぼします。今回は、根の呼吸を助け、土壌改良に効果を発揮する「酸素供給剤」についてご紹介します。

酸素欠乏症の原因と症状

 土壌の酸素欠乏は、豪雨や台風によって圃場の排水性が悪くなることや、土壌の隙間が減ること、有機物の分解時に酸素が消費されることから発生します。酸素欠乏症になると植物は十分に根を広げることができず、養分の吸収力が低下し、生育不良につながります。圃場が固く締まりやすいと感じる時や、肥料を与えているのに作物に元気がないと感じる場合は、酸素供給剤を活用してみましょう。

酸素供給剤の効果

 酸素供給剤は、土壌中に酸素を供給し、根の呼吸を助けることで、根の機能を健全に保ちます。また、酸素を好む微生物を活性化させることで、土壌環境の改良、団粒構造の構築も期待できます。粒剤と液剤、それぞれの特徴と代表的な使用例をご紹介します。

■ ネオカルオキソ(粒剤)
【特徴】
  • 約3カ月間ゆっくりと酸素を放出する粒剤タイプ
  • 10kgから約400ℓの酸素を放出
【使用例】
葉菜類(キャベツ・ハクサイ・ホウレンソウなど)
  • 播種前(定植前)に10アールあたり40〜60kgを全面散布し、すき込む
  • 畝に施用する場合は10アールあたり20〜30kgを散布し土を寄せる
※保存中は、金属、有機物、水分の混入に注意
■ M・O・X(液剤)
【特徴】
  • 即効的に酸素を放出する液剤タイプ
  • 10kgから約200ℓの酸素を放出
【使用例】
果菜類(キュウリ・トマト・ナスなど)
  • 育苗時:100倍液をかん水時に施用
  • 定植時:100倍液に苗を漬け込むまたはかん水
  • かん水:100倍液をかん水(10アールあたり1000ℓ以上)
  • 葉面散布:100倍液を噴霧器などで散布
    (10アールあたり200〜400ℓ・夕方に行うのが効果的)
※アルカリ性の強い薬剤や、銅剤・鉄剤との混用は避ける
※根菜類・花き・水稲など、使用例に掲載していない作物でも使用が可能です
※酸素供給剤の施用により土壌の排水性自体が向上するわけではありません。耕耘作業や排水対策などで健全な土作りを心掛けてください
※ご使用の際は、必ず使用方法をご確認ください
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