ごあいさつ
大貫 盛雄
昭和38年7月、厚木市内7農協の合併によって誕生した厚木市農業協同組合は、令和5年、設立60周年を迎えました。これもひとえに、組合員をはじめとする地域の皆さま、そして当組合とともに歩んでくださった全ての方々のおかげであり、心より感謝を申しあげます。
合併当時の記録によると、正組合員数3,855人、准組合員数702人、職員145人、貯金残高12 億5,100 万円ほどであったと記されており、現在に比べると実に小さい農協でありました。それでも、当時の神奈川県内では大規模農協として数えられた組合でした。
その後の60年という長い道のりには、幾多の荒波がありました。高度成長期の急速な都市化、農地の宅地並み課税、米の生産調整、バブル経済の崩壊、大規模な自然災害の頻発、政府主導の農協改革、そして感染症の拡大。この激動の歴史を支えてきたものは、相互扶助の精神をもとに協同の輪を広げ、地域の農業を振興し、安心して暮らせる豊かな地域づくりを進めるという、世代を超えて脈々と受け継がれてきた農業協同組合の本来の姿でした。そしてその足跡には、幾多の試練を乗り越え、協同の成果を上げるべく力を尽くした、先人のご苦労がありました。
これまで当組合では、設立10周年時に編まれた『厚木市農協十年史』、40周年の際には写真集『実りの世紀へ』、そして50周年の際には、前史以後の出来事を中心に編集した記念誌『夢ある未来へ』を発刊してまいりました。“還暦”を迎えた今回は、あらためて60年の歴史を懐かしく振り返り、未来への新たな歴史を刻むスタートラインとして、再び『夢ある未来へ』と題した記念誌を発刊することとしました。
時代が変わり、世の中も大きく変わる中で、この先の60年も、「農業を軸とする地域に根ざした協同組合」としての原点に立ち、組合員・役職員が共に助け合い、支え合う協同活動を展開するとともに、多様な価値観やニーズに合わせた事業活動を実践し、一番身近で、愛されるJA となるよう、努力を重ねてまいります。
結びに、皆さまのご健勝とご隆盛を心からご祈念申しあげるとともに、より一層の協同活動へのご参加をお願い申しあげ、ごあいさつといたします。